前回の記事では、220年の歴史データと私の資産推移を交えながら、複利の爆発力を引き出すには「焦らずに待つこと」がすべてだというお話をしました。
では、実際に投資の規律を守り、資産1.4億円を超えた現在の私は、毎日どんな風に相場と向き合っているのか?
結論から言うと、特に気にしていません。毎日チャートを見ることもなければ、値動きにハラハラすることもありません。ただただ、退屈。何もすることがないのです。
もし、あなたが今の投資に対して「退屈だ」「やることがなくてつまらない」と感じているなら、それは満点、完全に正しい状態です。
今回は、伝説の投資家が遺した言葉と、私が挫折から這い上がる中で確信した「退屈な投資こそが、人生を劇的に変える」という本質について深掘りします。
【伝説の投資家の言葉】エンタメになっている投資は稼げない
投資の世界には、人間の「スリルを楽しみたい」という本能をバシッと戒める、あまりにも有名な格言があります。伝説の投資家、ジョージ・ソロス氏の言葉です。
「もし投資が楽しくて、エンターテインメントのようになっているなら、おそらくあなたはお金を稼げていないだろう。良い投資とは、退屈なものだ。」
―― ジョージ・ソロス
多くの人が投資で失敗してしまう本質的な理由は、この「退屈」に耐えられないからです。毎日スマホでチャートを見て一喜一憂したり、SNSの流行りに乗って怪しい個別株や暗号資産に手を出したり……。投資に「刺激」や「楽しさ」を求めて余計な売買(投機)を繰り返した結果、せっかく育ち始めていた複利の雪だるまを、自分の手で粉々に破壊してしまうのです。
また、退屈であるがゆえに、「もっと儲かる方法があるのではないか。」「もっと良い利回りを出せるのではないか」と考え、投機に走ってしまいます。
これは、愚かだからそうなってしまうわけでは決してありません。賢い人であっても結果を急ぐ人はハマりがちです。速く走りすぎて自分のペースを崩す人は、その超過スピードに応じた転び方をします。急げば急ぐほど、大きく転ぶのです。
本当に正しい投資とは、先人が作ったインデックスファンドなどを、ルール通りに淡々と買い続けるような、地味で、機械的で、徹底的に退屈な作業の繰り返しなのです。
【私のリアル】1社目での挫折。見返したくて選んだ「本業全振り」
偉そうなことを言っている私ですが、最初からこの境地にいたわけではありません。むしろ、私の場合は「投資に時間をかけられなかった」という環境が、結果的にこの正解を引き寄せてくれました。
私は社会人のスタートとなる1社目で、大きな挫折を経験しました。自分の未熟さや環境の厳しさに打ちのめされ、本当に悔しい思いをしました。
「前の同僚や上司を、絶対に見返してやる」
そんな強い執念を胸に、私は自分のすべての時間とエネルギーを、本業の仕事に注力することに決めました。日中にハラハラしながら株価のチャートを眺めたり、心の余裕なんて、当時の私には1ミリもなかったのです。
投資に関しては、先人たちの教え通りに、極力手間をかけない仕組み(インデックスの積立など)をセットしただけ。あとは完全に放置して、毎月淡々と入金し続けることだけに徹しました。
画面の向こうの相場ではなく、目の前の仕事、自分のキャリアにエネルギーを100%全振りした結果、何が起きたか。
本業での成果が圧倒的に伸び、キャリアが引き上げられ、**投資の原資(入金力)を爆発的に増やすことに成功した**のです。それと同時に、完全に放置して時間を味方につけていた投資信託や資産たちも、複利の力で勝手に育っていってくれました。
仕事に専念したことで、「原資の最大化」と「投資リターンの最大化」、その両方を一気に掴み取ることができたのです。あの日、挫折をきっかけに本業へ一点集中したことは、今振り返っても人生最大の正解でした。
浮いたエネルギーを「原資を増やすこと」に全振りせよ
この経験から、私があなたに一番強く伝えたいメッセージはこれです。
「投資を退屈なシステムとして完成させたら、空いた脳のリソースは、本業や副業に全振りしましょう」
資産形成の方程式はいつだって「原資の大きさ × 時間」です。投資を地味で退屈なシステムとして裏方で勝手に回しておけば、あなたの貴重な時間と精神的エネルギーは、丸ごとフリー(自由)になります。
その浮いた最高のエネルギーを使って、仕事で圧倒的な成果を出して出世する、あるいは「ずらし転職」で打席に立ち、市場価値を高めて給料をバグらせる。余力があるなら副業を始めて、もう一つの収入の柱を作る。そうやって**「労働市場から引き出す原資」をゴリゴリに増やす努力の方が、個人投資家にとっては遥かに打率が高く、スピードが早い**のです。
1日中チャートを睨みつけて神経をすり減らし、年利を1%上げようと躍起になるのは、本末転倒です。それはプロのトレーダーに任せておけばいい。私たちは、投資は退屈なまま放置し、自分自身の手で稼ぐ力をアップデートしていくべきなのです。
特に、投資原資が少ないうちは年利を多少上げても大した意味はありません。入金力を上げることに専念するべきです。
まとめ:退屈を楽しもう。自分の人生の主権を取り戻す
もし今、あなたが「自分の投資は、積立設定をしてあるだけで何もすることがなくて退屈だ」と思っているなら、それはあなたが**プロと同じ、あるいはそれ以上の「正しい努力」ができている証拠**です。焦って余計なボタンを押す必要はどこにもありません。
投資に一喜一憂する時間は、もう終わりにしましょう。投資は退屈なシステムに任せておいて、私たちは、自分の人生、目の前の仕事、大切な趣味を熱く生きればいいのです。
投資が退屈であることの価値を知り、空いた時間で自分を磨く。
毎日少しずつ、積み上げていきましょう。


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